火にくべる

火にくべてしまいたい日常の機微

2022-01-01から1年間の記事一覧

12/27

最近、文章を読むのも書く(というか書く内容を考える)のも非常に楽しく、身の回りのさまざまな事象を切りとって文に落としこむ作業の尊さ!を感じているが、考えすぎて、諸々のものに全然間に合っていない。年内に、年内には、せめて年明けには、いろいろ…

僕の見た稜線

初雪を見れば悟ってしまうから秋の幕間で踊りつづける 十月の愛が衝き合う間隙に鎮痛剤を詰めては夜明け 川面には嘘つきしかいないと諭したauthentic loserの死が 直通特急の止まらぬ文脈の底にひとへのまなざしがある 「一番」は誠実じゃないような気がする…

宗教雲

問い詰めて萎びつつある花束で冠編んでいる昼下がり ○×を定めてはあの曖昧な笑みに部分点をつける作業 「教祖になったらついてきてね」って言えなくて鍋底をかき混ぜるみたいなお散歩 笑ってよ、笑って笑って笑ってよ、たれのかかった白米みたいに! ビタミ…

レコンキスタ

生き抜けて風は高らかに鳴って破滅的深海で指切り 顔もよく知らない人を励ませば右翼街宣車から遠吠え 冷静になれずに小さな箱の中そしたらごはん買って帰るね きしめんが伸びた分だけ想像のなかの神話が壮大になる 泣きながら噛み切りながらあの月を見てい…

maintain

何かを作ったり生み出したり、はじめたりすることって案外簡単で、そこそこ元気なときの自分なら(すなわち前方への推進力さえあれば)なんだかんだやっていける、という自負めいたものがある。でも、よく言われることだけど、何かを維持したり保ったりする…

花の残像

あの鴨は時の流れに逆らって静止画みたいな顔をしている かさかさの葉っぱが顔に飛んでくるとき有機的結論が出る 路地裏の向こう側まで抜ける空 花はちぎれて重ねて枯れて 夕暮れはぽっかり空いた鳩の群れまだ冬はまだそこで待ってる もうきっと 筆を置いた…

絶次元

暴力性星のめぐりは変えられずただここにある重力のなか 打ち捨てて歩いていくよ涙から検出されたざらざらの癖 血まみれになったらなったでそんな顔するくせにまだ高台の上 物騒にかがやく星をひっぱってきれぎれにした平凡たちよ 記譜法の無視されている音…

テロップテロリスト

2文字目の予測変換小手先で的確に刺すおうちテロリスト ゆるせないことがありました。かいわれ大根も干からびて食卓の上 はじめようとして開かれたまま一晩経るプロジェクトフリーズダウン 金の延べ棒カオスマター混沌を殴りつけても苦しくなった へんへんへ…

6/19

日々に浮かぶだだっぴろい空白が、淡い太陽色をまとって眼前にあらわれる。そういう日は、とても晴れている。

雑鍋船

グッドネスブルー見えない海岸へ走り出そうよ止まりきれずに うろうろの日々の経路を点線で描いてこんがらがりたいふたり 最初から飛び込んでいたプールではあのキラキラが見つけられない パソコンをはたはた叩く ボールぶん投げた ぼくらはこの季節が好き …

兼業農家

導かれるように大海が待っていてのんのんと鳴る遠くのチャイム 迎えうつ光の大群ひとりであいしているが流れた 往く夜路「でも金ないし」繰り返す1小節をおまもりにする なんでもない小道にはものがたりが降ってあと数年でこの街を去る 橋の下衝突フレンズあ…

9/11

エアコン、温度下げすぎてくしゃみが出る。明日バイトだな〜と思ったりする。あごのニキビがなかなか治らなくて、軽く爪で弾いてみる。とうもろこし茶だと思って買ったお茶が黒豆茶だった。結婚式の出欠ハガキ、まだ出してない。買ったヘアゴムがちょっと太…

9/10

わたしにとって、あまりにも眩しい言葉の数々が高速で流れていって、なんとなく白いもやのように残っている。1日1日の発見や記憶を逐一止めようと思うだけの気力はまだ備わってない、などと言い訳がましく残しておく。 輝きを見るたびに、意思の強さを見るた…

滞空時間

飛び込んで夏の泡にはなれなくて今すぐ頬をぶってほしくて 恨んでる 扉を開ける 8月の熱はここまで走ってこない オセロ盤白黒増えてゆくたびに一つずつ死の階段を降りる 星が降るみたいに宙を飛び交って消えない傷をせめて消さない 屋上とぼくの間のさよなら…

月の光

ひたひたと泳ぐ月光僕はとんでもなく弱い人間ですけど ガラス越しに映る歩幅がおんなじで生きる仕組みもおんなじだった ガードレールにぶつけた膝小僧が憎い 姉はこのまえ結婚しました それはきっとうそだと思う 真緑の葉を揺らしてはUVカット 可能性全部書…

残党

へらへらしてたら明日になっちゃうよその白い花の名前を知りたい 亡霊が立っているのは夜だから僕らこぞって逃げてわらって 肺に咲く花をかじって昼寝してあれは三月薄緑のなか あまりにもふつうをうたった音楽と並走してるぼくの人生 夏が来ることがうれし…

アディショナル・タイム#02

アディショナル・タイムそこから海へ出てあれがかれらの沈んでた場所 マニキュアを重ねてやさしくなっていくどうか明日も割れないでいて 淡雪がたんたんと手のひらに降る真綿みたいで泣きそうになる 星が降る日々に並んだ蛍光灯 聖俗のさかいめにふたをする …

生活+α

それすらも生活だよね雨水が乾いた月光照り返してる やっぱ好きだなあ! きみたちのいいところひとつ残さずとらえるカメラ 後ろ髪引っ張る慣性の法則 市バスは上り坂を進んでる 一文字も思い出せなくなっちゃったことばがわたしをつくってくれる だらだらと…

オスプレイ

5年前なんてすぐに来るんだからここに真っ白な光を点描 居場所にはできない幅の足場がある 薔薇の花とか生けられるかも 果てしない文字の海もある 起きてるのにかくんとなって海中散歩 友情ってそもそもゲームじゃないですか? 今が何時かわからなくなる 喜…

強炭酸

強炭酸の水がこぼれたあの道で夏を撃ち抜く 全部ぶち抜く 「みじめな生!」からはじまっている書きかけが想像力を試しにきてる 4分音符反復されたるアルペジオ それなり空を飛んでる気分だ 「クソ人生」「クソ街」とかでげらげらと笑って同じ方角を向く しぷ…

花俟月

日の当たる道にバニラエッセンス2滴ふりかけるぐらいの動悸だ レシピのないケーキをぐちゃぐちゃに崩してそれでも笑えているからずるい そのあとの惨状どろどろ溶け落ちたレモン畑の中ではにかむ しくじりは2弦7フレットの隙間,むずむずは3弦開放弦 輪郭を…

正電荷

わりと怖いかもね、毎日 ---------- 急に空が低い 急に空が高い 急に空が狭くて未来 薄曇り夜に延ばしてクレープのごとく巻きとるぼろぼろの星 蛍光灯ちらちら光る食堂でまぶたを擦る癖がまぶしい 青信号は飴玉にして飲み込んでまっくらな闇ぼくだけの箱 細…

安全圏

同じ箇所だけリピート再生する曲の「ざ」の音ばかり今日は聴いてる 違和感はことこと煮込んだ北白川近くのカレー屋みたいにつづいた もっといいところに行けるよもっといい道が見えるよ夕闇の底 「怖い」って言えば言うほどださいから枕詞でごまかしている …

消毒剤

落下してもたすかるジェットコースターなら何度でも生を叫べる さいわいの多い日だからふしあわせ 不条理そうに聞く人と犬 思い出のあなたが粒子になっていく そしてあかるい口笛を吹く 思い出のあなたが墓になっていく ちなみに明日は快晴らしい 抜き刺した…

翼にて

短歌全然下手だな2022 & 頭のなかのひろゆき←至言 ---------- 海も空も溶けてなくなる水平線 もう君の家を誰も知らない 髪の毛や花の束舞う鴨川で大きな鳥を敵視している さくらんぼ一粒つまんで爪を立てる 架空事実であってほしいし いかにも君がいそうな…

文化資本/初夏譚

面白く生きたあかつき独房のPM4:04 Not Found 「大学の闇」ってあだ名ついてたらどうしようかな 日々がたのしい それもたぶん本望でしょと言われたらすずめが鳴いて答えの代わり 軽率に背中を押して手を振ったきみの聡さを信じたかった あの春より息のしやす…

佳境-架橋

ぐるぐると回るカードに邪魔入るキャンセルボタンでこの日を閉じる ほっぺたを押す見え見えの茶番から祇園四条の橋まで飛んだ あの頃から破茶滅茶だった水面に指を浸すようなあやまち 嘘を嘘と見抜く力の大切さ流血事件のぬるい水滴 水占い祈りの先をなくし…

桃色月

こんな日に河原で寝たら風邪ひくよ まんまるな月 しずかに透る 勝算はない地方都市満員のカフェテリアにて打ち明け話 半密談 逃した魚は大きいといわんばかりのPDCA (行きつかない真昼のおもちゃ博物館Googleマップがため息をつく) 行きついた深夜のおもち…

あからさま

赤い辞書を手繰るように知ってゆくちいさな癖や言外の意味 愛すべきY字路、踏み外したレール、道路標識まで友だちにする ある区域はみ出したくて煎餅に「終わりかも〜」とうそぶいてみる あまい唾液、葉の抜け落ちた常緑樹、「!」、永遠に部屋 明くる日を捨…

ヘザーライト

消えていく瞬間に星またたいた行き止まりとはわからぬように 下り坂負荷をかけると光ってく 自転車漕いで街を斬り裂く 想像力かもしれなかった 海岸にない思い出も多重露光で 捨てるもの選んでほしい たしかめることから背いて置き去りの島 積み上げて折り重…