火にくべる

火にくべてしまいたい日常の機微

2022-11-01から1ヶ月間の記事一覧

宗教雲

問い詰めて萎びつつある花束で冠編んでいる昼下がり ○×を定めてはあの曖昧な笑みに部分点をつける作業 「教祖になったらついてきてね」って言えなくて鍋底をかき混ぜるみたいなお散歩 笑ってよ、笑って笑って笑ってよ、たれのかかった白米みたいに! ビタミ…

レコンキスタ

生き抜けて風は高らかに鳴って破滅的深海で指切り 顔もよく知らない人を励ませば右翼街宣車から遠吠え 冷静になれずに小さな箱の中そしたらごはん買って帰るね きしめんが伸びた分だけ想像のなかの神話が壮大になる 泣きながら噛み切りながらあの月を見てい…

maintain

何かを作ったり生み出したり、はじめたりすることって案外簡単で、そこそこ元気なときの自分なら(すなわち前方への推進力さえあれば)なんだかんだやっていける、という自負めいたものがある。でも、よく言われることだけど、何かを維持したり保ったりする…

花の残像

あの鴨は時の流れに逆らって静止画みたいな顔をしている かさかさの葉っぱが顔に飛んでくるとき有機的結論が出る 路地裏の向こう側まで抜ける空 花はちぎれて重ねて枯れて 夕暮れはぽっかり空いた鳩の群れまだ冬はまだそこで待ってる もうきっと 筆を置いた…

絶次元

暴力性星のめぐりは変えられずただここにある重力のなか 打ち捨てて歩いていくよ涙から検出されたざらざらの癖 血まみれになったらなったでそんな顔するくせにまだ高台の上 物騒にかがやく星をひっぱってきれぎれにした平凡たちよ 記譜法の無視されている音…