火にくべる

火にくべてしまいたい日常の機微

ズッ友

ここ数日、作業のときに延々と流している。

ズッ友 (2023 Remaster)

ズッ友 (2023 Remaster)

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music.apple.com

(ところでリマスター版じゃないほうが好き。)

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学部1回生の春休み、この「ズッ友」を使って、新歓でサークルの部署を紹介するための映像を作った。サークルの部署はPARAISOの相方と私の二人だった。私が制作監督を引き受けたのだが、何を思ったか、「Photoshop(相方)とIllustrator(私)がアプリケーションを越えた恋に落ちる」というテーマの物語仕立てのPVを無理やり提案し、そのまま採用され、制作をはじめた。「ズッ友」が二人の間で大流行りしていたのも大きい。

ストーリーは以下の通り。

謎の馬にいじめられていたPhotoshop(のお面を被った相方)をIllustrator(のお面を被った私)が助け、友情を育み、二人で西部構内を駆け回るうちにいつしか恋に落ち、奇抜な服装で踊り、爆走する軽トラの上で音楽を奏で、顔中をペンキまみれにして抱き合う

断片の動画だけが手元に残っているが、見るに耐えない格好の自分が爆笑しているのを見て、そっと画面を閉じた。でも、映像に映っていた誰もかもが久しく見ていないほどに笑っていたから、きっとあの頃、相当楽しかったんだと思う。ペンキまみれの顔を拭いても色が取れず、やや緑めいた顔色でバイトの説明会に向かったことを覚えている。

youtu.be

↑このPVのグレードを30段階ぐらい下げた仕上がり

若気の至りというほかなく、「何か成してやりたい」というあの、1回生特有の衝動だけが私を駆り立てていた。当時の私は大真面目に新入生をギャフンと言わせるつもりだったし、もはや「戦い」ぐらいの勢いだった。でも当然完成したビデオは初対面の年下に見せられるような代物ではなかったし、そもそも高校出たての新入生をギャフンと言わせようとするのが間違いである。上映後の会場は地獄というほかない様相を呈した(ところで、ほかの部署が作った映像も内輪ネタだったり汚かったり下ネタだったり淫夢だったりと、方向性は違えど同程度にはやらかしていた。つくづく最悪のサークルである)。
応援に来てくれた先輩もその出来にドン引きしており、私は別件で新歓隊長に怒鳴られ、もう万事休すといった雰囲気が漂っていた。

しかし、会場内で一人だけ「PVがよかった」という感想を抱いた強者の新入生が現れた。彼はのちにこれ以上ないほどの情熱を燃やし、編集長を見事に完遂した。さらにその翌年にも、なぜか私に異常なまでの尊敬の念を抱き、「去年のPVがいいから見てくれ」とわざわざほかの同級生に見せて回る(正直やめてほしかった)女子部員が入ってきた。それがのちに親友になるわけだから、本当にこの世は類友で回っているというかなんというか、すごいよな、と思う。

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という話を思い出していた。
実際、音楽も類友でよくて、同じものを好きだと思う、同じことを面白いと思う人が集まってくれたら十分なんだよな(デザインはもうちょい広めにリーチしたいな〜と思うけど)。
ともかく「類友で構わない」をライブまでの標語にしようと思います。

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私はちばぎんの粘り気のあるベースが好き(やめちゃったけど)。かまってちゃんの音作り(音配置)と私のやりたいことの親和性は結構あるような気が昔からしていて、もっと向き合わないといけない。