火にくべる

火にくべてしまいたい日常の機微

反転球

 

なすすべもなくおだやかなひかりだけ垂れる知ってる果てるさよなら

 

なすすべもなくすべりこむ鉄道の扉の気持ちを考えもせず

 

なすすべもなく結ばれた水面の泡もはじけてたったひとつの

 

なすすべもなく出会っては軒に降る雨を破って空想の中

 

なすすべもなく信号の赤映えて言えない言わない言わずぎらいだ