火にくべる

火にくべてしまいたい日常の機微

ゆれていた

七分袖汗ばんでいる夕暮れとまだ早いよという夜の風

 

木漏れ日を描き込まずともいっとう高いところから降る白脈光

 

いとおしくある思い出を抱えつつきみが徐行をつづける川辺

 

駆け降りる自転車の群れ 山々は変速つきのうすみどり、青

 

青透ける手首に指が重なってゆれていたんだ午後十六時